2009年9月9日水曜日

極道日記(18)

 丁度、映画のランボーのようないでたちだ
った。

   ・・・・

 『手打ち式会場』
 Dear風呂の広い庭に面する道路には、黒塗
りの高級車がずらっと列を成していた。
 その内の一台から、檻々組の組長、別区 
檻が降りて来た。
 Dear風呂組の干す徒がずらっと並ぶ中を葉
巻を咥え、悠然と歩き、家の中へ入って行っ
た。
 檻組長の後には、来流 信が従っていた。
 その後も続々と、檻組の幹部とDear風呂組
の幹部が高級車で乗りつけた。
 Dear風呂周辺は黒い車でいっぱいに成った。
 付近の住民は遠巻きに、この様子を不安げ
な表情で見守っていた。
 マスコミもやってきた。蟻が砂糖に群がる
ように、何処から来たのか、カメラとマイク
を持った人間が続々と集まってきた。
 
   ・・・・

 とうとう、決行の日がやって来た。
 裸婦裸は今まで吸っていた煙草を消すと、
迷彩柄の戦闘服に着替えた。
 腰にはナイフとガンベルトを装着し、防弾
チョッキを着た。肩からは銃弾ベルトを提げ、
頭にはバンダナを締めた。
 全自動拳銃の弾倉に弾丸をカチャッと挿入
し、右のホルダーに収めた。
 次に自動小銃のマガジンをカチャッと収め、
肩からぶら下げた。
 よし、準備万端整えた。
 さあ、いくぞ。と自分に気合を入た。
 ミサイルランチャーをショベルカーに積み、
手榴弾と弾丸を入れたバッグを無造作に運転
席に放りこんだ。
 ショベルカーのキーを取り、乗り込んだ。
 ブルンブルンッ
 アクセルを踏み込み、事前に釜美に教わっ
たDear風呂の手打ち式会場へと向かった。

   ・・・・

 大広間では、Dear風呂組と檻々組の幹部連
中が大きな会議机の周りにずらっと座り、ざ
わざわと談笑していた。
「お集まりの皆様、本日の手打ち式にご足労
願いありがとうございます。ささやかではあ
りますが、あちらの方へ宴会のご用意がして
ございます。本日はお互いの憎しみや、わだ
かまりを水に流して、忌憚なく語り合いまし
ょう」美湯が挨拶をすると、一斉に拍手が沸
きあがった。

 丁度その頃、裸婦裸はDear風呂の門口へ着
いた。門の所にはマスコミの連中が群れを成
して、集まっていた。
 門を入って、300mほど先がDear風呂の
屋敷だった。
 門には見張りの手下が何人かいて、マスコ
ミ連中を睨んでいた。
 裸婦裸はマスコミ連中が邪魔だと思ったが、
ショベルカーのショベルを上げて、そのまま
門の所まで行った。
「おおおーーー!」ショベルカーが突っ込ん
でくるのに驚いたマスコミ連中は蜘蛛の子が
散るように、門から離れた。
 裸婦裸は構わず、そのまま門に突っ込んだ。
バリバリ!ガシャーン!
 大きな音がして、門は壊れた。
 はずみで、何人かの手下が巻き込まれた。
 そのまま、ショベルカーは屋敷に向かって、
突き進んだ。
 屋敷の10m手前で、ショベルカーを停め
ると、裸婦裸はミサイルランチャーを肩に担
いだ。
 ミサイルを装填すると、屋敷の温泉マーク
の扉目掛けて、ミサイルを発射した。
 シュルルル ドガーン!
 もの凄い音と共に、玄関は吹き飛んだ。
 吹き飛んだ玄関をめがけて、裸婦裸は更に
ショベルカーを前進させた。

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