2009年9月9日水曜日

極道日記(12)

「はい。大丈夫です」やっちんはフラフラと
自分の席についた。
 フラつくやっちんを見て、ルミは心配そう
に言った。「ねぇ?大丈夫?」「え?大丈夫
よ。うん。大丈夫」
 やっちんは、干す徒に、さんざん、エッチ
なことをされ、思考回路がほとんだ止まって
いた。

   ・・・・

 栗はどうしたものかと思案した。
 今、干す徒達は、あちらのテーブル、こち
らのテーブルへと、あちこちに分散していた

 外で待機している檻々組を店内に忍び入れ
る前に、干す徒達を出来るだけ一箇所に集め
て於きたかった。
 そこで、一計を案じた。
 栗はルミに耳打ちして、ヒソヒソと話した

 酔った振りをして、着衣を脱ぎ、騒いで、
干す徒達を引き付けて欲しいと頼んだ。
 それも、面白いわね、と言って、ルミは酔
った振りをして、大袈裟に騒ぎ始めた。
「てやーんでー!バカヤロー!あたしの酒が
呑めないってーの?」
 ルミは横に就いていた干す徒に絡み出した

 それまで、おとなしかったルミが急に騒ぎ
始めたので、干す徒は面食らった。
「ちょっと、お客さん。どうしたんですか?
急に……。静かに、飲みましょう。ね?ね?

 宥めるように干す徒が言うと、ルミは調子
にのって更に大声で騒ぎ始めた。
「なんだと?バカヤロー!それでも、お前は
ホストか?悔しかったら、あたしを黙らせて
みろってんだ!」
 巻き舌で喋りながら、ルミは着ていたセー
ターを脱ぎ始めた。
「あー、暑いわ、この店内。暖房、効かせ過
ぎなんじゃーないの?駄目ねー。これからの
時代はエコよ。エコ!」
 と、言いながら、シャツを脱ぎ捨てた。
 上半身はブラのみになった。
「ちょっと、ちょっと。お客さん。困ります

 干す徒はおろおろしながら、ルミを制止し
ようとした。
「キャー!何すんのよ!このドスケベ!あた
しに触んないで!」
 ルミを制止しようとする、干す徒の手を払
いのけ、今度はスカートを脱いだ。
 この騒ぎを聞いて、周りにいた干す徒たち
が、ぞくぞくと集まってきた。
「ちょっと、お客さん。だめですよ。服を脱
いじゃ」
 他の干す徒が制止しようとしたが、ルミは
大声で喚いた。
「キャー。止めて!このドスケベ!」
 今や、ルミは苺柄のブラとパンツだけに成
っていた。
 作戦は当たり、「何だ?何だ?」と、干す
徒達が、集まってきた。
 今の内だとばかりに、栗は店をそっと抜け
出して、店の外で待機しているはずの裸婦裸
へ携帯で連絡した。
 程なく、裸婦裸が携帯に出た。 「おう。
俺だ。首尾はどうだ?」「今のうちよ。干す
徒達はルミが引き付けているから、一箇所に
固まっているわ」「そうか。ご苦労」
 よし、これで、いいわ。後は、あの子達を
干す徒から離して、安全な場所へ移動しなき
ゃ。
 栗は店内へ戻った。

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