2009年9月9日水曜日

極道日記(17)

 裸婦裸の憤怒の嵐が、電話越しにびんびん
伝わってきた。

 電話を受けた裸婦裸はしばらくの間、激昂
が納まらなかった。
 手打ち式か、おやじめ、やってくれるな。
 よし、みてろよ、こうなったら、手打ち式
の日が決行の日だ。Dear風呂の幹部連中も集
まっていることだろうし、一挙に叩き潰して
やる。

    ・・・・

 ここはホテルの一室。
 30代後半と見られる女が鞭を手に、男に
命令していた。
「壁に向かって、手をつくのよ!」
 女が持っている鞭は一般に九尾の鞭と言わ
れ、先端が幾重にも別れたもので、これで打
たれると、大きな音がする。
 男はパンツ一枚の半裸状態で、壁に向かっ
て立たされ、両手を壁について、尻を突き出
した。
 ピシーッ
 鞭が男のキュッっと絞まった小さめの尻を
目掛けて打ち放たれた。
「ぎゃっ!」
 男の口から思わず、うめき声が漏れた。
「これぐらいで声を出して、情けないわね。
それでも、あなた、男なの」
 そう言いながら、さらに勢いよく、男の尻
を鞭打った。ビシッビシッ!
 女は黒いエナメルのブラと、お揃いのパン
ツを穿いていた。ブラとパンツにはダイヤカ
ットが付いてキラキラしていた。
 女は鞭打ちながら、快楽の笑みを漏らして
いた。 
 男は来流 信。檻々組の舎弟だ。
 女は釜美。 檻々組の姉御だ。
 二人は檻組長の目を盗んでは、ホテルで密
会を重ねていた。
「ほほほほ」笑いながら、鞭を振り下ろそう
とした時、テーブルに置いた釜美の携帯のバ
イブが震えた。
 ヴヴヴヴ
 携帯を見てみると、裸婦裸からのようだっ
た。
「はい。あたし。うん。そう」
 手打ち式の当日にDear風呂を潰すと言う内
容だった。ついては、場所を教えて欲しいと
いうものだった。
 手打ち式の場所は新しいDear風呂の事務所
だと教えた。
 この前、釜美が行った所だ。
 
    ・・・・

 手打ち式は一週間後に迫っていた。
 一人で戦うには、まづ、十分な武装が必要
だった。
 クレーンやショベルカーなどの重機をレン
タルしている店に行った。
 早速、手打ち式の当日にショベルカーをレ
ンタルした。
 ショベルカーで突っ込むつもりだ。
 武器はミサイルランチャーに機関銃と手榴
弾を用意した。
 これらの武器は檻々組にいた時に揃えてい
た物だ。
 防弾チョッキに機関銃の銃弾ベルト、ナイ
フ、バンダナ。
 丁度、映画のランボーのようないでたちだ
った。
  

0 件のコメント:

コメントを投稿